第53回 鴨叡会・生命分子化学科セミナーのご案内
生命環境学部生命分子化学科では、各方面で活躍している研究者の方々を講師として招いた「鴨叡会・生命分子化学科セミナー」を開催しています。学内にいながら最先端の研究に触れることが出来る機会です。学年、分野を問わず、広く公開いたしますので、皆様ご参加ください。
【第53回 鴨叡会・生命分子化学科セミナー】
日 時 11月26日(火)13:30 〜
場 所 稲盛記念会館 会議室 (2階)
テーマ 『グラム陰性菌由来排出トランスポーター複合体の立体構造に基づく輸送機構』
講 師 村上聡先生 (東京工業大学生命理工学院 教授)
対 象 学生、院生、教職員
村上先生は、グラム陰性菌の持つ薬剤排出トランスポーターの構造と機能に関する研究、とりわけトラスポーター、外膜チャネルと、それらを繋ぐペリプラズム・アダプター蛋白質(膜融合蛋白質とも呼ぶ)が複合体をつくり機能する三者複合体型排出輸送複合体(Tripartite transporter complex)を中心に研究を進めてこられました。プロトン共役型のトランスポーターとしては世界初のX線結晶解析となった多剤排出トランスポーターの構造と機能の研究に続き[1,2]、ATP加水分解共役型のABC-tripartite transporterの結晶構造を明らかにし[3]、さらにクライオ電顕解析により複合体の構造も明らかにされました[4]。講演では、そこから見えてきた、グラム陰性細菌の持つトランスポーターの作動メカニズムについて話題提供していただきます。
1. Murakami,S., et al., Nature, 419, 587-593 (2002)
2. Murakami,S., et al., Nature, 443, 173-179 (2006)
3. Okada,U., et al., Nat. Commun., 8, 1336 (2017)
4. Fitzpatrick,A.W.P., et al., Nat. Microbiol., 2, 17070 (2017)
多数の皆様のご来聴を歓迎いたします。